2010年11月14日

『Orgasm Inc.』(☆☆☆☆)



最近、映画マニアにはたまらないTV番組を見つけました。
東京MXテレビで金曜深夜に放送している『松嶋×町山 未公開映画を観るTV』。
番組名どおり、日本で未公開の海外ドキュメンタリー映画を全編流してくれます。

そんな番組で最初に観た映画がこれ。

Orgasm Inc.

世界の人口に占める割合が5%であるにもかかわらず、
世界の処方薬(医者の処方箋が必要な薬)の45%を消費しているアメリカ合衆国。
ここでは、次々と新しい病気が創り出されます。
創り出す代表的なパターンは、これまでは病気と見なされていなかったこと
(例えば“貧乏ゆすり”)を、病気ということにして、その説に賛同する医者を集め、
マスコミを使って世の中に広め、それと歩調を合わせて製薬会社が薬を販売するという方法。

この映画でもそんなパターンのひとつが取り上げられています。
病気(?)の名前は、“女性性機能障害”=FSD(Female Sexual Dysfunction)。
女性がオーガズムに達することができないことを病気であるとして、
大手製薬会社などがその治療薬の開発競争に励んでいるのです。

もちろん、そんなことは病気ではないと主張する学者や医師もいて、
FDA(米国食品医薬品局 ※日本でいえば厚労省。)も巻き込んだ
大騒動になっていくというマジメな映画です。


ちなみに、過去にこの番組で取り上げた映画を有料でWEB公開もするそうなので、
興味のある方はチェックしてみてください。



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2010年11月06日

『援助じゃアフリカは発展しない』 ダンビサ・モヨ



過去60年間にわたり、1兆ドルを超えるアフリカ向け援助が行われてきたにもかかわらず、
見るべきものは多くない。
だが仮に、援助により本来達成すべきものが達成されなかったというように、
援助が無害なものであったというのならば、この本は書かれることはなかっただろう。
問題は、援助が慈悲深いものではなく有害である点にある。
援助はもはや潜在的な解決策の一部ではなく、実際には援助そのものが問題なのである。

こんな過激な主張がとても冷静に論理的に書かれていて、
なるほどなあと思うことが何度もありました。

ザンビアの首都ルサカに生まれ、ザンビアで教育を受けた後、
世界銀行やゴールドマン・サックスで働いたダンビサ・モヨさん渾身の一冊です。
彼女は、2009年5月に「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれています。

援助じゃアフリカは発展しない

ぼくも援助懐疑派なのですが、そんな発言をすると冷酷な人間のように思われそうで、
この手の話題のときは静かに黙っていることが多かったのですが、
この本を読んだおかげで、援助に対して感じていた違和感がかなりスッキリしました。

そして、援助を批判するだけでなく、
代替案(“中国と仲良く”とか“マイクロファイナンスを活用”とか)も示していますし、
援助を止めたらアフリカの貧困がさらに拡大して酷いことになるんじゃないか?というような、
素朴な疑問にもしっかり答えています。

ちなみにこの本で批判している援助は、国家間の援助(低金利ローンと贈与)のことであって、
災害時の緊急援助や慈善団体が行う草の根援助については特に触れていません。

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2010年10月31日

『墨東綺譚』(☆☆☆☆)

bokutou.jpg

今、住んでいるところの近所が舞台の映画なので借りてみました。

放蕩の文豪・永井荷風の同名小説を、
当時80歳の新藤兼人監督が映画化した作品。

墨東綺譚

隅田川のほとり(現在の東向島近辺)にかつてあった遊郭“玉ノ井”。
ここを舞台に繰り広げられる荷風と遊女お雪とのロマンスと別れを描いた映画です。

元AV女優の墨田ユキ(この作品出演を機に芸名を変えた。)はお雪役にぴったりだったし、
荷風役の津川雅彦もはまってたし、出演者の会話がおしゃれだし、
場末の遊郭ではよくありそうな話しなのになぜか趣があって、
独特の味のあるいい映画でした。

小説も中古で買ってみたので、そのうち読んでみよ。

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2010年10月24日

『日本橋異聞』 荒俣 宏



会社の近くを散歩していると、江戸情緒たっぷりの問屋とか料理屋とかが
たくさんあるので、日本橋辺りの歴史を知りたくなったところ、
ちょうどぴったりの本を見つけました(さすがアラマタさん!)。

日本橋異聞

水天宮そばに建つホテル「ロイヤルパークホテル」の館内誌に掲載されていた
コラムを纏めたこの本には、日本橋、人形町、神田界隈のコネタが満載!

例えば、

・地下鉄日本橋駅近くにある“丸善”。
 岐阜出身の早矢仕有的(はやしゆうてき)が明治2年に横浜で開業しました。
 この早矢仕さんが友人をもてなすために考え出した煮込み料理が、ハヤシライス。
 今でも丸善に入っているカフェでハヤシライスを食べることができます。

・江戸時代、「火事と喧嘩は江戸の華」といわれてましたが、
 そのどちらにも関係が深かったのが“火消し”。
 明暦の大火で江戸の大半が焼き尽くされた後(江戸城もこの時消失)、
 いろは47文字を組名とする火消団が組織されました。
 ただし、へ(屁)組、ら(裸)組、ひ(火)組は縁起が悪いというので、
 のち百、千、万、に改められました。

まあこんなことを知っていても普段の生活には何も役立ちませんが、
いつかこんなネタを使える時が来るかもしれません。

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2010年10月20日

175GOの想像力養成講座20

先日放送の『出没!アド街ック天国』は“AKIBA2010”ということで
秋葉原が取り上げられていたのですが、9位にランク・インされていた
“ヲタ芸”というのが衝撃的だったので紹介することにしました。



ヲタ芸打つなら(オタク用語で踊ることを打つというようです。)、
Dear Stage」というライブハウスが有名だそうです。

ちなみにこちらはヲタ芸のパロディ(?)のオバ芸。



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2010年10月16日

『インビクタス/負けざる者たち』(☆☆☆☆)



南アフリカの弱小ラグビーチームが主人公のスポ根映画だと思って敬遠していたのですが、
たまたま予告編を観たらそうでもなさそうだったので観てみました。

インビクタス/負けざる者たち

爽やかで温かないい映画だったなあと思ってエンド・ロールを見ていたら、
これもクリント・イーストウッド作品(暗いイメージ)だったのでびっくりしました。
ほんと多才な爺さんですね。

そして、途中からこれってもしかして実話か?でも実話にしてはよくでき過ぎてるなあ
とか思っていたのですが、観終わった後調べてみたら、実話だったことにも驚きました。
人間の可能性ってすごいもんです。



西田敏行さんも絶賛!


しかし、この映画を観てるはずの日本代表ラグビー・チームには、
この映画のような奇跡がなぜ起こらないのでしょうか。。。

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2010年10月09日

『ゼブラーマン』(☆☆☆☆)



うーん。
もしかしたらこの監督のヒーローもの特撮映画のセンスは好きなのかもしれない。

2009年の映画ベスト10でまさかの1位に輝いた
ヒーローもの特撮映画『ヤッターマン』とはずいぶん違う作風だけど、
こっちもなかなかおもしろいなあとか思いながら観ていたこの作品。

ゼブラーマン

今調べてみたら、どちらも同じ監督の作品でした。

さえない中年オヤジの市川新市(ゼブラーマン)が、
浅野さん(小学生)や自分の子どもの声援を糧に恐ろしい宇宙人と戦うという
まさにヒーローものっぽいストーリー。

あちこちに散りばめられた笑いのセンスもいい感じです。

ただ惜しいのは、最後のボスとの戦闘シーンがちゃっちいとこ。
あそこにしっかり金をかけていれば、2010年の映画ベスト10入りもできたのに!

まあそれはそれとして、
とりあえず『ゼブラーマン2』も観よっと。

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