
キリスト教徒でもユダヤ教徒でもイスラム教徒でも無いのですが、読んでみました。
神と人間との間に結ばれた契約が記された世界的ベストセラー。
『
旧約聖書』;紀元前1,500年頃〜紀元前400年頃
信者ではなくても知っているアダムとイブの話や、ノアの方舟、
バベル(語源は“バラル”=混乱)の塔、モーセの十戒の話などが書かれている、
全39巻にもなる大作です。※この漫画では約400ページに纏められています。
ユダヤ教唯一の聖典で、キリスト教の聖典のひとつでもあります。
(さらにイスラム教も、その一部を啓典としています。)
読んで驚いたのは、その血生臭い内容でした。
神は、“主”に従わない者に対して、街を丸ごと滅ぼしたり(ソドムとゴモラ)、
子どもを全て殺したり(出エジプト記)といった災いを起こします。
古代イスラエル王国の最盛期を築いたソロモン王は、国の繁栄のために、
異教徒を認めることも必要という賢明な判断をしたのですが、
これが神の怒りに触れ、その後、王国は分裂し、バビロニアに滅ぼされます。
“主は偉大な神であり、妬みの神である。”という言葉が象徴的です。
『
新約聖書』;紀元後1〜2世紀頃
イエス・キリストの誕生や死と復活、イエス・キリストを信仰するすべての人々への
救いの成就の宣言と契約のことばが記されています。
こちらは全27巻。※漫画では約200ページ。
これを読んで初めて知ったのは、キリスト教の布教に大きな貢献をした使途パウロの
バックグラウンド。今でも、前ローマ法王のヨハネ・“パウロ”2世の名前にもなっていたり、
キリスト教信者の多い国にはポールとか“パウロ”という名前の人がたくさんいたりするので、
当然十二使途のひとりなんだろなと勝手に思い込んでいたのですが、全然違ってました。
パウロは、もともと、当時イエスを信仰する人々を迫害していたパリサイ人
(ユダヤ教の中の一派)だったんですね。
それが、復活したイエスにより目を見えなくされ、その後、キリスト教徒の祈りにより、
目から鱗のようなものが落ちて再び目が見えるようになり(「目から鱗」の語源)、
その後、キリスト教の洗礼を受けたそうです。
書評担当:
175
posted by 175 at 10:51| 東京 ☀|
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