泊まった宿に入り浸っている80歳のウォーレンさんに、サバイイ島を案内して
もらうことになった僕らは、その日の朝、ロビーでウォーレンさんと待ち合わせ
をしていた。
一緒に島案内ツアーに参加するスイス人の観光客2人もやってきて、さっそく
ウォーレンさんのツアーが始まった。

で、いきなり最初に見せられたのが、この写真(↑)に写ってる島の地図。
地質学者のウォーレンさん。
この島の地質学的特徴について、その成り立ちから丁寧に説明してくれた。

マグマがどう、とか、地震がどう、とか言っていて、スイス人たちはまるで理科(しかも
英語で)の授業。
スイス人たちはなにやら熱心に質問していたけど、僕にはちんぷんかんぷんだった。
あとで知ったことだけど、どうやら、このウォーレンさんツアーは、そういう
お勉強系の要素が強いツアーとして、HPなどに案内していて、観光客もそれ
を目当てで参加しているようだ。
結局、一日中、説明は英語だし内容も難解だし良く分からなかったけど、ろくな
移動手段がないこのサバイイ島を効率よく回ることができて助かった。
以下、サバイイ島の様子。

↑
民家。
前の日のホワイトサンデーで子供たちが着た白い服が沢山干されていた。
この家は、こどもがいっぱいいるんだろうなあ。

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川から海に水が流れているところで、地質学的にいって、興味深い成り立ちが
あるようなことを言っていたけど、もちろん理解できなかった。

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この島で伝統的に作られている紙。
タパと言って、樹皮から作るのだけど、それを見せてもらった。
おばあちゃんが作ってたんだけど、これを作る人は、今ではもう
少ないらしい(大変な作業で、収入にならないので)。

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体験してみないか、と言われて調子に乗ってやってみる。

↑
塗る箇所を、大胆に間違える。
リカバリーできないミスにより売り物にならなさそうなため、買い取ってあげた。

↑
島の至る所に、やしの木の苗が植えられている。
その家の人が亡くなったときに植える慣習があるということだった。

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車はずっと海岸沿いを走る。
どこから見ても、バスクリンを入れたお風呂のようなきれいなエメラルドグリーン。

↑
潮吹き穴といって、海岸に打ち寄せる波が、たまたま隙間のできた岩穴から
噴き出す。高さ10メートル以上というから、すごいエネルギーだ。
枯れたココナッツの実なんかを穴に放り込んで、それが地上に舞い上がるのを見る
というのが定番の遊びみたいで、
ウォーレンさんツアーに同行したサモア人・サマソニがやって見せてくれた。
このサマソニくん、寡黙な人でほとんどしゃべらないのだけど、何かあるたびに、
「おい、サマソニ!”●●やってこい」と言った感じで、始終、ウォーレンさんに
こき使われていて、サマソニも、まったく文句も言わず、黙々と働き
続けていた。
ウォーレンさんは、いかにも学者という感じで、気難しそうなおじいちゃん(次の日、バス乗り場まで車で連れて行ってくれたり、実は優しいんだけど)。
サマソニも、「まあおじいちゃんだししょうがないか」といった感じなんだろうか。
今でもウォーレンさんが叫ぶ「サマソニ!」という声が忘れられない。
シーマン