とても印象に残っているのですが、
別な意味でもすごい印象に残っています。
これまで、観光客慣れしていない村をいくつか突撃訪問したときは、
見慣れないアジア人に興味津々の子どもたちが、
マリ語でしゃべりかけてきたり、手をつないできたり、
髪の毛や肌を触ってきたり、写真撮って撮ってとすごい言ってきたり、
そんな感じで楽しかったのですが、
観光客慣れしてるソンゴ村は全然ちがいました。
村に入ると、これまでと同じように子どもたちがわーっと寄ってきて、
あれこれマリ語でしゃべりかけてきたり、手をつないできたりしてきたのですが、
子どもたちが立ち入り禁止になっている神聖な場所に近づくと、
子どもたちの様子が一変し(豹変し)、目つきもガラッと変わって、
「手をつないだんだからお金をくれ」とかあれこれ理由をつけて、
すごい勢いで詰め寄ってきたのです。
ぼくらが崖から降りてくると、また子どもたちが待っていて、
今度はみんなで歌を歌っていました。
かわいいねーとか言って、
写真でも撮ろうものならどんな目に遭ってたか・・・
この村を訪れてからは、子どもたちが近寄ってくると、
完全に無視するようになりました。
ソンゴ村だけの話じゃないけど、観光客は観光のことしか考えてなくて、
そこに住んでいる子どもたちは金のことしか考えてなくて、
そんな状況になってしまっている観光地は世界中にたくさんあると思うけど、
その状況を作り出した最初の一歩は、観光客が来たことなのは間違いありません。
日本に帰って来てから、観光地化による悪影響についてまじめに書かれた本を買い、
勉強しようと思ったのですが、本棚で眠っています。
早く読まないと・・・
『世界遺産と地域振興』(世界思想社)
マリ担当:175
