2005年07月30日

『天国にいちばん近い島』 森村 桂



今日は、ぼくが一番好きな旅行記、森村桂さんの『天国にいちばん近い島』を紹介します。

『海をね、丸木舟をこいで、ずうっとずうっと行くんだ。
するとね、地球の、もう先っぽのところに、真っ白な、サンゴでできた島が一つあるんだよ。
それは、神さまのいる天国から、いちばん近い島なんだ。
地球のどこかで神さまをほしがっている人があると、神さまは、いったんそこに降りて、
島の人に丸木舟をだしてもらって、日本へ来たり、アメリカへ行ったりするんだよ。

だからその島は、いつ神さまがとびおりても痛くないように、花のじゅうたんが
一面にしいてあって、天に近いからいつもお日さまを浴びて、明るくて、あたたかいんだよ。
その島の人々が黒いのは、どこの国よりもお日さまをいっぱいもらっているからなんだよ。
その島の人々は、神さまと好きなだけ逢えるから、みんなみんな幸せなんだ』
 

幼い頃、お父さんにずっとそんな話を聞かされていた森村さんは、
ふとした拍子に、フランス領ニューカレドニアのことを知ります。

そして、お父さんが話してた天国にいちばん近い島は、
きっとニューカレドニアのことに違いない、と確信した彼女は
ニューカレドニアから鉄鉱石を輸入している貿易船に乗せてもらうため、
鉄鉱石会社の社長に突然手紙を書き、その社長の計らいで、
本当にニューカレドニアに行くことになります(すごい初海外旅行だ!)。

しかし、ニューカレドニアにやってきた森村さん。フランス語も分らないし、
現地の日本人には、こんな何もない島に目的も無くやって来た
怪しい日本人というレッテルを貼られて距離を置かれるし、孤独な毎日を過します。

そんな日々が続き、あまりにも辛いので、日本に帰ろうと思ってた時、
偶然に知り合った、片言の日本語を話すベトナム人のおばちゃんの紹介で、
森村さんは、心優しい日系2世の夫婦と知り合うことができます。

そして、その夫婦との出会いをきっかけにして、森村さんは、
現地の島民ともどんどん仲良くなっていきます。
もちろん言葉の壁はありますが、森村さんに勝手なレッテルを貼って
距離を置いてきた現地の日本人たちとの会話よりも、
英語がほんの片言しか通じない島民たちとの会話のほうが
ずっと通じ合うものがあるのです。

ニューカレドニアの本島で2ヶ月を過した頃、
森村さんは、現地の島民に招待され、ウベア島に遊びに行きます。
島民たちの村で8日間を一緒に暮らし、新年を迎えます。

そして、その島で、信じられないくらい美しい海を見ます。
底抜けに明るく、しかも静かな、澄みわたった真っ青な海。



ぼくも、ちょうど去年の今ごろ、ウベア島に行ったのですが、
曇ってたこともあり、森村さんの描写ほど、きれいではありませんでした。

現実をも凌駕する、森村さんの描写!
この小説に出てくるようなきれいな海に行ってみたいなぁ。

土曜担当:175

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posted by 175 at 13:19| 東京 霧| Comment(6) | TrackBack(6) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
『天国にいちばん近い島』、昔、原田知世が主演で映画化されたときに読んだけど、もうほとんど忘れちゃったな〜。

どこかに残ってるかな〜。探してみよ。
Posted by らぐじ〜 at 2005年07月30日 14:25
軽井沢に行くたび、桂さんのケーキやさんへ入ろうか迷っていたら、彼女は天国へ行ってしまいました。

こんな事なら迷わず入って、皇后様もおいしいと言った、あのケーキを一口でも食べておくんだった。



Posted by たそがれ at 2005年08月02日 23:28
TBありがとうございます。
ウベアの海は本当に美しかった!ウベアに行ったのはもう6年も前だけど、今でもあの海は忘れられないです。

「天国にいちばん近い島」僕も読みました。良い本ですよね。
映画の方は別に見なくていいけど、本の方はまだ見てない人にはぜひ読んでもらいたいです。
Posted by YR at 2005年08月03日 02:22
私が行ったのはニューカレドニアのアメデ島でしたが、海はキレイだったな〜TBありがとうございました。私の方もTBさせていただきました。
Posted by barbie at 2005年08月03日 10:23
こんにちは、トラックバックありがとうございました。
ワタシは「天国にいちばん近い島」は、現地に滞在していた時に初めて読みました。ホームステイしていたゲストルームに置いてありました(笑)
日焼けもシミも気にせず、ひたすら坂道を歩いて図書館へ通ったり、早朝のマルシェでお魚を買ったり、潜ったり泳いだり、浜辺でタヒチアンダンスを踊ったり、これぞピクニック!を体験したり、楽しい思い出がいっぱいです。旅は現地で会う人によって、その趣は変わるのかもしれませんね。そして、どんな人に会えるのかは自分次第なんですよね、きっと。
Posted by サハラ at 2005年08月03日 11:11
TBどうもです。ウベアへ行ったのはもうずいぶん前なのですが、ほんとにきれいでした。島の中には原住民の人が生活しているため立ち入り禁止の場所もあり、自然のままの姿がありました。また訪れてみたいですね。
Posted by sharkattack at 2005年08月05日 12:48
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