
(自治権を要求!)
「国民の力」
先月号にちょこっと書いたのですが・・・先月末から今月の頭まで、ボリビアは大規模なデモ及び道路封鎖が続き、情勢がとても不安定でした。特に、6月1日〜9日までは、手にダイナマイトや石を持ったデモ隊が毎日、ラパス市内を行進していました。
私たち、ラパス市内の協力隊員は、一時退避勧告が出されるほどの大規模デモがラパスで行われていて、交通機関もストップし、物資が市内まで届かない状況も見られました・・・。(結局、飛行機が飛ばなくて、退避はしなかったのですが・・・)スーパーに行っても、棚はがらがら・・・。日本もオイルショック時にはトイレットペーパーがなくなったと聞いていたけれど、まさしくそんな状況です。水もパンも・・・、一気に店から姿を消しました。
一体なんでこんな状況になったかというと・・・
もとはといえば、ガスの国有化を目的として、国民が天然ガス採掘の国営化要求をしていたのがデモの発端です。政府は採掘にかかる資金がないので外国企業に採掘権を与えざるをえなかったのです・・・。
そこからだんだんと要求が広まり、先住民の権利拡大などもデモでの要求の1つになりました。結局、大統領が辞任することになり、それまで最高裁判所長官だったロドリゲス氏が暫定的に大統領になり、180日以内に大統領選挙が行われることで、デモは落ち着きました。道路封鎖も解除されたのですが、また、いつ混乱が生じるかわからないとの状況です。
「Ellos no son nuestra gente!」
(→彼らは私たちと同じ人間ではない。)

(大行進!)
デモ等が行われていたときには、うかつに外も歩けないほどの治安の悪さでした。うっかりデモ隊に出会ってしまうと、投石をされたり、暴行を受けたり(外国人は余計に目立つのです。)するので、家にいる時間がとても多かったです。商店略奪等もあり、小さな店はほとんど閉まっていました。
日本のように、とくに恐怖もなく外を歩けることは、平和な証拠なんだなっと、改めて思いました。
ボリビア国民の3分の2は先住民族系だと言われています。
けれど、実際に政権を握っているのは、植民地時代の侵略者の末裔で、白人系なのです。この社会構造に、先住民はとても不満を持っていて、そういうところからもこのデモの拡大につながったのではないかと私は思っています。
私がホームステイしている家族は、イタリア系なのですが・・・、家族の一人が言った言葉。
「Ellos no son nuestra gente!」
(→彼らは私たちと同じ人間ではない。)
この言葉を聞いて、私はすごく悲しくなりました・・・。ボリビア人と一口に言っても、いろいろな背景を持っているけれど、お互いを理解できずに、中傷しあってばかりいたら、この国はずっと変わることが出来ないんじゃないかなっと。そして、国民が団結できないような白人中心の今の社会が続く限り・・・、このようなデモはきっとまた起きるし、その度に、ボリビアの経済活動はストップするだろうし・・・。ボリビアは先住民族の国なのだから、一度、外国人や白人系ボリビア人抜きでの彼らの国を作ってみたらいいんじゃないか?っと私は思ってしまいました。(とっても、無責任なことを言っていますが・・・)
そんな状況のボリビアからボリ子でした。

(大行進!)
日系人のミチアキ・ナガタニさん(42)が出馬するんだね。
中道左派政党の民族革命運動(MNR)から。
ボリビアでは、地方分権や自治権拡大を求めるサンタクルスなど
お金持ちが住む東側地域と、
先住民らが多く住む貧しい西側地域とで国論が割れています。
その溝の深さを実体験として知ってるボリちゃんの言葉は、
身に染みます。悲しいことだけど。
正解は
ボリブヒ
です。