
米国にある黒人のイスラム運動組織「ネーション・オブ・イスラム」は、
「イスラム教」を名乗ってはいますが、本物のイスラム教とはまったく別のもので、
黒人優越主義・反ユダヤ主義を説く宗教運動です。
マルコムXやモハメド・アリも、この団体の信者です。
※マルコムXはその後、この団体から脱退し、メッカ巡礼を経て真のイスラム教徒になりますが、
その後、この団体のメンバーに暗殺されます。
「ネーション・オブ・イスラム」は、1995年、ワシントンD.C.で黒人男性による、
「百万人大行進(Million Man March)」を行いました。
映画『ゲット・オン・ザ・バス』は、この大行進に参加するため、
ロスから6日間のバスツアーに参加した黒人たちの物語です。
同じ目的のために参加したとはいえ、考え方も職業もバラバラの黒人たち。
警察官、元ギャング、ゲイ、手錠でつながれた親子、敬虔なイスラム教徒、
ワシントン大行進(このとき、キング牧師が「私には夢がある」の演説を行った。)に
参加し損ねたおじいさん、白人のユダヤ人バスドライバー、などなど。
黒人監督スパイク・リーだからこそ、こんな映画が作れるんだろうなあと思いました。
さすがです。
以上、2回にわたり、バス映画特集をお送りしました。
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