2007年01月13日

『ペルセポリス イランの少女マルジ』 マルジャン・サトラピ

※2007年1月3日、世界遺産「ペルセポリス」に行ってきました。



いや〜、おもしろかった。

今日紹介するのは、12ヶ国で翻訳され、世界でベストセラーになるのも納得のこの本、
マルジャン・サトラピさん(イラン人)の自叙伝『ペルセポリス』。

裕福で自由な家庭に育ってきたマルジが10歳のとき、
イランの西欧化を進めていた当時のシャー(国王)が、
宗教政権を目指すホメイニ師の革命によって国外に追放されます。

イスラム革命後は、イスラム法に基づいて国が運営されるようになり、
マルジの生活環境も大きく変わります。

ヴェールの着用が義務付けられ、マイケル・ジャクソンのバッチなんかを
付けたりしようものなら、女性革命防衛隊からこっぴどく叱られます。

こんな環境の中で、イラクとの戦争が始まり、マルジの住む街テヘランも
空襲を受けるようになります。

マルジの両親は、安全のために、14歳の彼女をウィーンに留学させます。
(両親とのエピソードがたくさん描かれていますが、
いつもマルジに素晴らしい愛情を与えています。)

しかし、母国では、イスラム原理主義者たちに反発してきたマルジも、
ウィーンでの級友たちから見れば、
まさにその原理主義者たちを代表するような存在として扱われ、
ウィーンでの生活は惨めなものでした。

最後は、極寒の冬の街路で2ヶ月間野宿して、
心身ともにボロボロになって死にかけますが、
幸運にも偶然助けられて、命拾いしたマルジは、
再びヴェールをかぶり、家族が住むイランに戻ってきます。

しかし、4年間のウィーンでの自由な生活を経たマルジにとって、
イランでの生活は、抑圧的で重苦しいものでした。

イランでは西欧人として扱われ、ヨーロッパに行けばイラン人として扱われ、
自分を見失っていくマルジ。

マルジは、イランで落ち込み、立ち直り、立ち向かい、挫折して、
6年後、再びイランを後にするのでした。

漫画だけどかなり読み応えがあります。
(おもしろいからあっという間に読んでしまいましたが。)

読み応えがある本はダメだって人は、今年公開予定の映画版をお楽しみに!

書評担当:175

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posted by 175 at 11:25| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(3) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBありがとうございました。
イランのことはどうもよくわからない...と思っていましたが、そんな中東の事情をわかりやすく、しかも身近に感じられる本ですよね。

映画化されるとは知りませんでした。それは観たい!
Posted by rivarisaia at 2007年02月11日 21:46
TBをしていただいて、どうも有難うございます。
映画化に関しては本当に初耳で、とっても楽しみです。
誰が製作するのかしら。興味があります。
それから、イランツアーの記事も楽しみに拝見させて頂きました。
楽しい旅だったようで良かったですね。
Posted by japonikk-la at 2007年02月12日 11:01
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