2011年04月16日

『カーマ・スートラ』・『好色一代男』

 

今日紹介するのは、“性”をテーマにした有名な古典で、
興味はあっても原典は絶対読まないだろうという2冊です。

カーマ・スートラ』 ヴァーツヤーヤーナ

1,000編にもおよぶ古代インドの性愛論『カーマ・シャーストラ』のうち、
もっとも古く(紀元前前〜)重要な文献とされている、インド3大性典のひとつです。

『カーマ・スートラ』といえば、アクロバットな体位が解説された
江戸四十八手のインド版みたいなイメージを持っていたので、
いったいどんな漫画になってるのか興味津々だったのですが、
実は、“カーマ”というのは、“愛”という意味であって、
『カーマ・スートラ』は、性愛も含む“愛”全般について解説した本でした。

なので、結婚の話や、妻妾の話、遊女の話など、
男女の様々な関係が具体的に解説されています。

もちろん江戸四十八手みたいな体位なども具体的に解説されています。

インドに行くと、この体位の部分を纏めた本や絵葉書が、
お土産としてよく売っていますね。

好色一代男』 井原西鶴

生涯において37,142人の女性、725人の少人(若衆、美少年)と関係した稀代の“粋人”、
世之介が主人公。江戸時代の文芸最高峰と称されている官能的浮世草子です。

世之介は、7歳で女中を口説き、10歳で衆道(男色)にも興味を持ち、11歳で遊女を身請け
(廓主に遊女の借金と身代金を払い、遊女を辞めさせること。)します。

日本中を放浪し、金が入ってはそれを全部使って遊び、結婚やら離婚やらを繰り返し、
親から使い切れないほどの莫大な資産を受け継げば、またそれを湯水のように使って遊ぶ、
そんな暮らしを60歳まで続け、60歳になった世之介は、仲間の一代男(跡継ぎのいない
自分一代だけの男性)たちと一緒に好色丸に乗り込み、美女しかいない伝説の島、
“女護島(にょごがしま)”に向けて伊豆より日本を発つという壮快な物語です。


最後に豆知識。

江戸時代の日本では、遊女の最高位に位置し、美貌や品格、踊りなどの多芸に秀で、
高い教養を持った遊女のことを「太夫(たゆう)」といったそうで、
一方、『カーマ・スートラ』によると、“カーマ”に関わる技術や知識64芸に秀で、
品性・美貌・美徳を兼ね備えた最高の遊女のことを「ガニカー」というそうです。

書評担当:175

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posted by 175 at 14:38| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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