
『松嶋×町山 未公開映画祭』からの3本目です。
2008年の米公開ドキュメンタリー映画で興行収入第1位。
歴代でも第7位(米公開ドキュメンタリー映画)の作品です。
『レリジュラス〜世界宗教おちょくりツアー〜』
アメリカの社会風刺コメディアン、ビル・マーが“スピリチュアル・ジャーニー”という
映画を撮ると嘘をついて、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、モルモン教の宗教家、聖職者、
信者などにインタビューを申し込み、米国、バチカン、イスラエル、
デンマーク(ムハンマドへの風刺漫画問題が起きた国)などで鋭い突っ込みを繰り広げます。
超正統派ユダヤ主義者とか、
「聖書は全て事実。だからダーウィンの進化論は嘘で、人間は神が創った。」という教義を
持つキリスト教原理主義者とかとの対話はハラハラものです。
このコメディアン、宗教についてめちゃくちゃ勉強していて、
宗教に対する考え方もとてもマトモで、宗教の矛盾を突く指摘も論理的でほんと感心します。
もちろんコメディアンなので、センスのいい(ブラックな)ユーモアも散りばめられていて、
このユーモアのおかげで、難しいテーマを取り上げていながら楽しい映画になっています。
それにしても、こういう映画が公開できる環境にある米国はスゴイなあと思います。
そしてこんな危険な映画を作る人がいるのにも驚きます。
日本ではこういう映画を作る人は見当たらないし、作っても公開できないんだろうなあ。
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