2010年07月10日

『血のケープタウン』 ロジャー・スミス



ヨハネスブルグ生まれの作家ロジャー・スミスのデビュー作となった
この小説は、世界各国で絶賛され、映画化も決まったそうです。

血のケープタウン』(原題:Mixed Blood)

舞台は、南アフリカ共和国のケープタウン。
美しい山の斜面にある高級住宅地に米国から逃亡してきた指名手配犯、
ジャックとその家族が引っ越してきます。

もう一度マジメに人生をやり直そうと心に誓っていたジャックですが、
偶然ジャックの家に押し入ってきたギャングを殺してしまったことから、
狂信的キリスト教徒の極悪警官に目をつけられ、そこから人生が再び狂っていきます。

南アフリカ共和国で生まれて育った著者ならでの、日常生活のリアリティ
(貧困の中で暮らしている人たちの命の軽さとか貧富の差とか。)と、
ストーリーの面白さに引き込まれてあっという間に読んでしまいました。

それにしてもケープタウンといえば、
南アフリカ共和国の中でも安全で美しい街だという印象がありましたが
(この本の著者も同じ印象を持っていて、ケープタウンに引っ越したそうです。)、
実際には、ケープタウンの住民の3分の2は貧民居住地区に住んでいて、
そこでは世界一の件数といわれている殺人、児童虐待等が発生しているそうです。

南アフリカ共和国は、いつか行ってみたい国の一つで、
行くならヨハネスブルグじゃなくてケープタウンに行こうと思ってたけど、
こういう街の高級ホテルに滞在して、南アを旅した!なんて言えないなあ。

書評担当:175

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posted by 175 at 12:19| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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