私が働く会社では、半期に一度、社長賞の表彰式がある。
最も会社の売上、利益に貢献したプロジェクトのメンバーに贈られる賞で、
金一封がもらえる。
従業員の士気向上ということで、会社としても力を入れていて、全役員が集まる中、
社長から直々に、労いと感謝の言葉とともに、賞状が渡される。
そんな全社的なビッグイベントに、私は、毎回、カメラマンとして参加している。
ちなみに、表彰されたことは、一度もない。
こうした式典の写真撮影は、人事総務グループが担当なのだけど、人数が足りないために、
暇そうなスタッフがアサインされることになり、忙しくなさそうに働いている(ほんとは
忙しい)私に、白羽の矢がたった。
そんなわけで、毎回、社長賞表彰式の度に、コンパクトデジカメで、淡々と、式典の
様子や記念撮影などを行ってきた。
今のところ、人事からの評判も上々で、「名カメラマン、またよろしく!」なんて
言われる。
まあ、便利に使われてるだけという説もある。
人事評価には間違いなく影響していない。
さて、実際の撮影については、正直なところ、1時間近くの式典の間、ヒマで仕方ない。
社内HPに2、3枚アップするだけなので、社長が挨拶している写真と、表彰式に参列
している従業員たちが写った会場の写真、そして、表彰された人たちと社長との集合写真が
あれば十分。
それなのに、最初から最後まで、その会場に居続けなければならない。
ということで、今回は、退屈しのぎに、できるだけたくさん写真を撮ってやろうと決めた。
挨拶している社長や聴講している人たちの横顔を、望遠を使ってドアップで撮ったり、
人事の人がぼけーっとしている様子を隠し撮りしたり、準備中のスタッフの姿や、椅子の
上に無造作に置かれた表彰状を撮ったり、全部で100枚近く撮った。
きっと、人事総務の担当者は、私から渡された画像データを見て、今頃びっくりして
いる頃だろう。
なんでぼけーっとした俺が何枚も写ってるんだって。
次回も、私にカメラマン依頼が来るだろうか。
このように、私みたいな役割をしなければいけない人が、各社に一人ずつくらいいる
と思うので、そういう人向けに、この本を紹介したい。
今まで全く分からなかった、広角だの露出だのシャッタースピードだのホワイトバランスだの、
が、分かるようになるとともに、どうしたら見栄えのいい写真ができるか、の基本が
分かる。
すべてオートで撮っていた写真が、ホワイトバランス、露出、シャッタースピードなど
色々試してみたくなる。
そうやってると、退屈な1時間の式典もあっという間に終わる。
いいことづくめです。
会社で窓際にいるあなた、ぜひこの本を手に。
シーマン
今度読んでみます。