
戦後すぐ、食糧不足だった日本には、食料統制法という法律があって、
お米は全て配給制でした。
この法律を破ってこっそりと高値で売り出されているものが“闇米”で、
配給されるお米だけでは食料が足りない多くの人が、
“闇米”を買って食べていました。
そんな時代にひとりの裁判官が、「悪い法律だとしても法律は法律」ということで、
“闇米”を食べずに33歳で餓死しました。
というニュースを知っていたぼくは、この裁判官に息子がいて、
こちらは“闇金融”で身を滅ぼし、その体験談を本にしていることを最近知り、
早速買って読んでみました。
簡単に紹介すると、著者が自分の会社をつぶさないため、
トイチどころかトニとかトサンのヤミ金から借金をしまくり、
最終的には会社をつぶすという体験談です。
ちなみにトイチというのは、10日で1割の利子がつくことで、
例えば100万円借りたら、1年後には約3100万円返さないといけません。
読んだ感想としては、この著者の自分勝手でムチャクチャな話の展開に、
イライラむかむかしまくりで、こんな人に金を貸した街金やシステム金融のほうが
かわいそうに思えてきます。
著者の周囲のマジメなたくさんの人たちから、
著者がウソついてお金を借りて、ヤミ金への返済に充ててしまって
ゴメンナサイというエピソードがいくつか出てくるけど、
ちゃんと金、返したんだろうか。
この本の中で唯一共感できたのは、借金でクビが回らなくなっても、
生命保険でカタをつけるのはやめましょう、というとこだけです。
これはほんとその通り。
書評担当:175
