ことがないと思ってたトゥイさんの家でのホームステイを終えて、
次なる目的地サバイイ島に向かうため、トゥイさんに、車で40
分くらいかかる港まで、送ってもらった。
別れぎわ、一緒に遊んで仲良くなった子供達が、僕達の車が見えな
くなるまでいつまでも手を振っていてくれた。
わずか2泊だったけど、子供達はすぐに僕らのことなんて忘れて
しまうかもしれないけど、僕にとっては、一生忘れないだろうと
思う宝物のような時間だった。
こういう出会いというのが、まさに旅の醍醐味だなって思う。
アジアも南の島も、人々は優しくて温かい。
国によっては、貧しかったり、政治が悪かったりするけれど、そこ
で暮らす人は、毎日、日本人が暮らすのと同じように、ご飯を食べ
て勉強したり遊んだり働いたりしてシャワー浴びて寝て、というこ
とを、家族と笑いあいながら繰り返している、という当たり前のこ
とを、実感できる。
僕の場合、美術品とか建築物とか遺跡とかのすごさが理解できない
ため、現地の人々と仲良くなって、こういうことを実感できる、と
いうのが、また次の旅へと僕を掻きたてているのだろう、と思う。
あー、旅日記を書いていると、また旅に出たくなってきた。
さて、サモアで人が住んでる島は大きく二つあって、首都アピアの
ある島ウポル島と、もうひとつがサバイイ島という手付かずの自然
が多く残る島とがあり、サバイイ島に行くことにした。
フェリーに乗ること1時間ちょっとだっただろうか、
結構あっという間にサバイイ島に到着した。
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フェリーからみた海。
息を呑む青さだ。
地球の歩き方を見ると、たった4頁くらいしか紹介がなく、その
うち1頁が概要説明、1頁がホテルの紹介、そして残りの2頁が
観光案内ということで、まったくもって情報不足。
しかも、移動手段はほとんどなく、数時間に1本走るバスか、た
まに走るタクシーか、ヒッチハイク、って書かれてある。
運よくタクシーに乗れた僕は、歩き方で薦められていたホテルに
向かった。
このホテルで出会い、おもむろに話しかけてきたのが、オントシ
80歳のウォーレンさんだった。
オーストラリア人で、サモアが好きでもう25年も住み、
周りから尊敬される酋長さんだ。
地質学者で、世界中を旅したウォーレンさん。なんと160カ国
以上の国に行ったことがあるらしい。
学者だけに気難しそうで、ちょっと怖いおじいちゃん。
話の流れで、そんな彼に、この島をガイドしてもらうことになった。
彼の、「サマソニ!」という声が忘れられない。
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泊まったホテルの部屋。ここには壁があった。
シーマン