「陰謀」とか「極秘」とか「禁断」とか、そんな言葉がたくさん出てくる割には、
何だか結局よく分からなかったのがこの本。
『新説 東京地下要塞』
例えば、刑務所跡地に建てられた池袋のサンシャインシティで、
知られざる謎の地下4階を発見した著者が、地下4階に潜入したところ、
そこには、東京電力の極秘発電所があった。終わり。
みたいな感じで、なんか中途半端なのです。
ただ、東京についてのいろんなエピソードが紹介されていて、
どれも中途半端なんだけど、けっこうおもしろい。
例えば、大隈重信と伊藤博文が苦労に苦労を重ねた末に開通させたのが、
今のJR東海道線。新橋−横浜間を走っていたそうです。
さらに、この頃、品川駅や田町駅は海の中にあったそうで、
沖合い50メートルのところに高さ4メートルの石垣を築いて、
その上に線路が敷設されていたそうです。
とか、
紀伊国屋書店は、もともと材木問屋だった。
とか。
“東京の歴史”という題名でもよかった気がした一冊でした。
書評担当:175