平均年齢80歳以上のおじいちゃん、おばあちゃんたちのコーラス隊の様子を
追ったドキュメンタリー映画。
このコーラス隊が歌うのが、ロックやR&Bなど、おじいちゃんおばあちゃんたち
には難しい曲ばかり。
しかも、曲の選択は、指揮者のボブ・シルマンが行っていて、おじいちゃん
おばあちゃんたちは、決してロックが好きだったりするわけではありません。
だけど、音楽の幅を広げたい、といって、厳しい練習にも取り組んでいきます。
30歳を過ぎたあたりから、ますます向上心とかがなくなってきてしまった僕
と違って、80歳を超えても、向上心を持ち続けているってのが、ほんとに
すごいことだと、関心させられます。
いつまでも若くいるっていうのは、こういうことなんだなあって思いました。
なかでも、コンサート本番の直前に、2人のメンバーが亡くなってしまう
のだけど、そのうちの1人が亡くなった当日に、刑務所への慰問コンサート
を行う、というシーンは、とても感動的でした。
最初は、じじいばばあが一体何しにきたんだ!?って感じの様子で斜に構える
ように眺めてた囚人たちが、コーラス隊の歌を聞いてるうちに、顔が穏やかに
なっていき、演奏が終わったころにはスタンディングオベーションをして称えます。
歌の力って、すごいなあ。
僕の大好きなオペラ歌手で友人の稲田マキさんが、僕の結婚式披露宴の余興で
友人が歌ってくれた歌を聞いて、「感動で涙が出てきたわ、歌って上手とか
下手とかじゃなくて、心なのね」
と仰っていたのを、ふと思い出しました。
最後のシーンのコンサートを聞いた観客が、
何よりも、あの人たちが楽しそうなのがよかったわ
なんてことを言ってましたが、本当にそのとおりだ、自分も、いくつになっても
好きなことをやって楽しい人生を送りたい、と思いました。
が、そういえば、自分には、趣味が何もないのでした。
一生、回文でも考えてようかな。老後は時間もたっぷりありそうだし。
シーマン