アカデミー賞をとる作品って、あまり楽しめないものが多いんだけど、これは
ものすごく面白かったです。
楽団の解散でチェロ奏者の夢をあきらめ、故郷の山形に帰ってきたモックン演じる
大悟は、好条件の求人広告を見つける。
仕事内容もよくわからないまま面接に向かうと、即採用されるが、業務内容は
遺体を棺に収める仕事だった。当初は戸惑っていた大悟だったが、さまざまな
境遇の別れと向き合ううちに、納棺師の仕事に誇りを見いだしてゆく。
というストーリー。
人の死にかかわる仕事ということで、周囲から偏見を持ってみられる仕事だった
のが、その仕事の美しさを見るうちにしだいに周りの偏見が消えていく(主人公
のモックン自身の心も晴れていく)展開が、すばらしいです。
コメディタッチで始まる序盤から、こうした後半への展開がテンポもよく
バランスよく構成されているように感じました。
なによりモックンの仕草が美しくて、画面に魅入られてしまいます。
こういうのって、外国人から見たら、日本って神秘的な国なんだなあって
うつるのかなと感じたり、日本=サムライ文化、以外の側面が外国の人たちに
伝わるのって、なんだか嬉しい気持ちがします。
(僕自身、納棺師という仕事を知らなかったわけですが)
シーマン