
インターネット上のサイトを使ってデートの相手を探す“オンライン・デーティング”。
日本でもかなり普及してきていみますが、
米国では、年齢・職業・人種・地域を超えて、ごくごく一般的なものになっています。
この本は、ハワイ大学アメリカ研究学部教授の吉原真里さんが、
ニューヨークでのサバティカル(大学教員が、授業その他の業務から離れて、
研究や執筆に専念するために与えられる期間)中にマジメに試してみた、
オンライン・デーティングでの体験をまとめた本です。
『ドット・コム・ラヴァーズ』
オンライン・デーティングで知り合ったステキな男性との、
けっこう赤裸々なエピソードだけでなく、
それらの男性を通じて垣間見える米国の文化についても触れていて、
なかなか興味深い一冊でした。
ちなみに、吉原さんが登録していたオンライン・デーティングがこれ。
match.com
日本語サイトもありました。
そして、吉原さんが、ゲイの友人に見せてもらったのがこれ。
Gay.com
年齢、身長や体重などの基本的なプロフィールの他に、
"How out I am"という項目があって、
つまりその人がどれだけカミングアウトしているかも分かります。
答えとしては、
「Totally(完全に)」、「To some people(一部の人に)」、
「To all but family(家族以外にはみんなに)」などがあるそうです。
確かに、ゲイの人はマイノリティーなので、
ゲイダー(ゲイかどうかを察知するレイダー)が発達していないと、
相手を探すのが大変でしょうから、こういうサイトは大切なのかもしれません。
と、話がそれましたが、吉原さんがオンライン・デーティングを試してみて、
そして結婚まで考える人とも出逢って、そしてあとがきで書いていること。
お互いに意味のある交際につながっていった相手であるほど、
出会いがオンライン・デーティングであったということは、
その後の関係にそれほど意味がなかった。
いったん付き合うようになれば、二人の感情や問題は、
それぞれ固有の形をなすし、それを深く実のある関係に
つなげていく術は、二人の真摯な努力と態度以外にはなく、
インターネットという媒体とは関係ないからだ。
ハイ。
書評担当:175
