2012年03月10日

『エロティック・ジャポン』 アニエス・ジアール

 

日経新聞で紹介されていて気になっていたこの本。

エロティック・ジャポン

フランス人女性ジャーナリストが10年の歳月をかけて書き上げた大作です。

日本人でも知らない日本のエロ文化やサブカルチャーの数々が紹介されていて、
「まったく日本人はよくこんなことを考えるなあ」と、感心することしきり。

さらに、単なる紹介に留まらず、そこから日本人の性格や歴史や文化にも斬り込んで
いっているところがこの本のスバラシさです。
(ただ、けっこう間違い・勘違いも多いのですが、それもまたご愛嬌。)

例えば、『日本では女性のパンティーを覗き見ることに男たちが熱をあげているが、
それは、アニメのドラゴンボールにおける伝説の武闘家“亀仙人”が、
パンティーを見ることでパワーアップすることからも明らかである。
この感覚は、日本だけのものであり外国人には共感できないので、
ドラゴンボール翻訳版では、パンティーではなくお金に書き換えられている。』
とか、こんな興味深い洞察が繰り広げられています。

ちなみに、日本には全童連という組織があって、童貞くんたちに希望と経験を
与えているというネタも紹介されていたのですが、
その章の中に、前から疑問だったチェリーボーイの語源が書かれていました。

ウブだからシモネタですぐ顔が“さくらんぼのように”真っ赤っ赤になるので、
チェリーボーイというそうです。

この本から仕入れた知識をもとに、日本にはこんなヘンな文化があるんだよと
外国人の友だちに教えてあげたら、喜ばれること間違いなしです。

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2012年01月30日

『東京スカイツリーと東京タワー』 細野 透

 

世間一般並みに、今年の開業を楽しみにしている“東京スカイツリー”ですが、
別にスカイツリー関係の本を読むまでのファンではありませんでした。

が、この本の切り口には興味を持たざるをえません。副題がすごい!

東京スカイツリーと東京タワー 〜鬼門の塔と裏鬼門の塔〜

「浅草寺・寛永寺・神田明神が守っている、今は皇居となっている江戸城の鬼門(北東)の
方角に新しく建った東京スカイツリーはどのような役割を果たしているのか?」とか、
「増上寺が守っている江戸城の裏鬼門(南西)方角にそびえ立つ東京タワーの意味は?」とか、
こういう系の話好きには無視できない一冊です。

しかし残念ながら、東京スカイツリーを鬼門の塔、東京タワーを裏鬼門の塔と位置づける試みは、
消化不良というか、もう少しうまくこじつけできなかったのかなあという感じでしたが、
それでもなお、「江戸はなんで江戸というのか?」とか、
「上野の西郷さんの像は、なぜ上野に建っていて、そしてどこを見つめているのか?」とか、
「今も丸の内にひっそりと佇む平将門の首塚の祟りとは?」とか、
気になるネタが盛り沢山なので、一読の価値ありです。

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2011年09月19日

『日本人の9割に英語はいらない』 成毛眞

 

海外駐在したとか、英語ができるとかいうことだけで“スゴイ人”という
扱いをされている人を見るたびに、「英語できるだけで偉そうに。」と、
覚めた目で見ていたのですが、英語ができない私がそういうことを言っても、
「英語できない癖に何言ってんだこいつ。」と思われて終わりになるので、
そんな発言はできずにモヤモヤしていたのですが、

マイクロソフト元社長の成毛眞さん(もちろん英語はネイティブレベル)の
この新刊本を読んで、心底スッキリしました。

日本人の9割に英語はいらない

帯に書かれたひと言は、
「英語ができても、バカはバカ」

目次の一部を挙げるとこんな感じです。

第1章 本当に英語は必要なのか
 ・頭の悪い人ほど英語を勉強する
 ・創造力のない人ほど英語を勉強する
 ・本当に英語が必要なのは1割の人
 ・早期英語学習は無意味である
 ・自信がないなら通訳を雇えばいい
第2章 英語を社内公用語にしてはいけない
 ・「チョドメ企業」の愚かな選択
第3章 本当の「学問」をしよう
第4章 日本の英語教育は日本人をダメにする
 ・帰国子女は不幸である
第5章 英会話を習うより、本を読め!
第6章 それでも英語を勉強したい人へ〜成毛流英語学習法

この本を何度も読み返しながら、海外旅行をもっと楽しめるようになるために、
そして、海外の友人ともっと話せるようになるために、英語の勉強を続けよう
と思いました。

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2011年08月16日

『告白』(☆☆☆☆)

kokuhaku.jpg

下妻物語』と『嫌われ松子の一生』がとても面白かったので、
女子高生ばかりの観客に混じって、男一人で劇場に観に行った
パコと魔法の絵本』から2年。

中島哲也監督の新作は、これまでとは全然違うタイプの映画だったけど、
これまた見応えある作品でした。

告白

映画をひと言で説明すると、娘を殺された女教師の復讐劇なのですが、
単なる犯人探しがメインにはなっていなくて(犯人は最初の30分ですぐ判明)、
予想外のストーリーが展開されていきます。

とにかく(芦田愛菜ちゃん以外の)登場人物がみんな怖い!

清純派イメージの松たか子は、主人公の女教師・森口役として意外にも怖いし、
演技がウマイ木村佳乃は、犯人Bの母親役でめちゃくちゃ怖いし、
犯人A、Bを始めとする1年B組の子供たちも怖い。

そして、その怖さが、映画という別世界の中での怖さではなく、
身近にありそうな怖さなので、精神的にゾッとして背筋が寒くなります。

今年の暑い夏にお勧めの一本です。

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2011年06月17日

『ザ・コーヴ』(☆)

thecove.jpg

やっとこの映画を観ることができました。
予想していたよりはよくできていましたが、それでもやはり
こんな映画がアカデミー賞をとったのかと思うと残念です。

ザ・コーブ

もともとぼくは、クジラの肉を食べるということについては、特に興味も無く、
「世界で捕鯨反対の動きが強いみたいだから鯨食なんかやめたら?」くらいに
しか思ってなかったのですが、先日の大震災の後、米国の大新聞に、
“津波が捕鯨の町をやっつけた!”といって喜ぶ記事が掲載されたことを知り、
何でそこまで鯨食を目の敵にするんだろうと思い、強く興味を持ちました。

まず、日本側が捕鯨を続けるのは、“鯨食は、日本の食文化だから”という
ことがその最大の理由なようですが、これは理由として非常に弱い。

確かに、日本は縄文時代から鯨食を続けてきているのかもしれませんが、
この映画で指摘されているように、今の日本人の多くは、クジラやイルカの肉
を食べませんし、そもそも食べられることすら知らない人も増えているんじゃ
ないかと思います。

また、アフリカの一部には今でも女子割礼という非人道的な文化がありますが、
これを文化だから続けるんだと言われても、「はいどうぞ」とはなりません。

だから、文化だからという理由は弱い。

そうではなくて、生態系を守りつつ、適切な数のクジラやイルカを獲っている
だから何が悪い!ガタガタ言うな!というのが正しい理由付けなんだと思います。
(日本は、絶滅危惧種の大型クジラなどを、もちろん獲っていません。)

これに対して、捕鯨反対派が言ってくる反論はいくつか考えられますが、
まず、「あんなに頭がいいかわいい生き物なのに残酷だ」ということ。

これは、捕鯨反対派の最大の理屈のようですが、全く意味不明。
牛や豚を含め、生き物のいのちを奪うシーンは、とても残酷です。
(何年か前に、『いのちの食べかた』という映画を観て、しばらく牛肉を
 食べれなくなりました。)

この映画でも、入り江に追い込まれたイルカが殺され、海水が真っ赤に
染まるシーンが、最大の目玉のシーンとして出てきますが、こんなのは
捕鯨反対の理由には全くなりません。

そして、「かわいいからダメ」とか「頭がいいからダメ」とかいうのは、
全くナンセンスで、こんな理屈が通るなら、ヒンドゥー教徒にとって
神聖な動物である牛だって、「神聖なんだから」食べたらいけません。

「牛や豚は人間が飼育しているから食べていいんだ」という理屈もある
ようですが、この理屈は、「だったら臓器移植用のクローン人間を飼育
してもいいのか?」という話に繋がっていきます。

結局、絶滅危惧種だとかいった特別な事情が無いのであれば、
食べる人は食べる、食べない人は食べないでいいのではないかと。

これからも、エコテロリストと呼ばれている犯罪者集団のシー・シェパードは、
大人気TV番組「Whale Wars」(現在なんとSeason4!)の視聴率稼ぎの為に、
より過激に日本に対する捕鯨妨害活動をし続けるでしょうし、
捕鯨問題に興味がない日本人は、昔のぼくのように、「捕鯨なんて別に
もうやめたら?」と思うんでしょうが、問題の真実を少し知ったからには、
ぼくは断固として鯨肉を食べていこうと決めました。

この映画を観て、内容を鵜呑みにせずに、感情的にならずに、捕鯨問題に
興味を持つ日本人が増え、日本の鯨食文化の復活に繋がるといいなと思います。



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2011年05月21日

『ユートピアの崩壊 ナウル共和国』 リュック・フォリエ

 

海外旅行で、貧しい田舎町に行き、素朴な人々に会うと、
こういう人たちがまだ世界にはいるんだなあと心が温かくなるのですが、
一方で、こういう人たちが急に金持ちになったりしたら、誘惑への免疫が無い分、
人間性がガラリと変わってしまうんだろうなあと思ったりしていました。

そしてこの本を読んで、その思いは確信に変わりました。

ユートピアの崩壊 ナウル共和国〜世界一裕福な島国が最貧国に転落するまで

オーストラリアから約4千キロ離れた、太平洋に浮かぶ島国ナウル
人口わずか1万人(2006年時点)の小さな小さな国です。

海で魚を釣ったりしながら、素朴に静かに暮らしていた国民の暮らしは、
この島で、貴重な天然資源であるリン鉱石が見つかったことから、激変します。

リン鉱石の発掘は、中国や周囲の島国から来た出稼ぎに任せ、
ナウル国民はそのほとんどが公務員となり、リン鉱石の発掘ビジネスで入ってくる
有り余る税金を使って世界中を旅し、遊びまくります。

島を30分で一週する道を何度もグルグル回るため、高級車を何台も買い漁り、
食料は全て輸入品となり、肥満率がどんどん高くなっていきます。

この頃、ナウル国民の1人当たりGDPは、
中東の産油国と並び、世界トップクラスだったそうです。

ナウル政府も、リン鉱石マネーを使って海外の高級リゾートホテルを買い漁り、
採算が全く取れない空港を作って路線を次々と増やし、湯水のように金を使っていきます。

そして数十年後、リン鉱石が枯渇します。

バブルははじけ、ナウルはどん底に突き落とされます。
リゾートホテルの改築は途中で止まり、飛行機は差し押さえられ、
国の中央銀行であるナウル銀行は潰れます。

借金だけが雪だるま式に増えていく中で、ナウルは生き延びていくため、
違法行為に手を染め、タックスヘブンとなってマネーロンダリングビジネスを始めます。
(その後、米国に怒られ、ナウルは非合法なビジネスから足を洗います。)

まるで誰かの人生を見てるかのような栄光と転落の物語でした。

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2011年05月05日

『24 ファイナルシーズン』(☆☆☆☆)

24final.jpg

LOST』の他にもう一つずっと観てきたのが、“24シリーズ”。
とうとうファイナルを迎えました。

24 ファイナルシーズン

ネットショッピングが怖くてできない先輩の橋口さんに代わって、割引価格でDVDボックスを
購入し(もちろんお金は橋口さん持ち。)、彼が観終わってから借りて観るので、
レンタル開始時から半年ぐらい遅くなってしまいますが、ファイナルシーズンである、
シーズン8までこの方針で観続けてきました。

ただのドンパチ満載のアクションドラマじゃなくて(アクションシーンもすごいけど)、
人間の内面をうまく描いてるところがこのドラマの魅力だと思います。

お子様向けの単純な映画なんかでは、善は善、悪は悪として分かりやすく描かれますが、
このシリーズでは、1人の登場人物が善になったり悪になったり強かったり弱かったりと、
人間らしく、リアリティをもって描かれています。

ファイナルシーズンでも、中東和平を願う清廉なテーラー米国大統領が、
中東和平という大義と、犯罪の隠蔽を暴こうとする正義との間で揺れ動くのですが、
よくこんな悩ましい状況を考え出せたなあと感心しました。

このドラマは、人間の内面もそうですが、例えば中東問題の難しさ、複雑さなんかも
単純化しないことで、意欲的で見応えのあるドラマになったんじゃないかと思います。

“24リターンズ”が待ち望まれます。

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